サイドドア開いてませんか?APIセキュリティは包括的な取り組みが必要です。
要約
エッジ上のセキュリティ機能だけでは、APIセキュリティを完全に解決することはできません。API発見の制限、サードパーティAPI利用の課題、エッジツールの高度な検出能力の欠如など、エッジ上のセキュリティでは対応できない問題があります。包括的なAPIセキュリティアプローチが必要で、API発見、ポスチャガバナンス、脅威保護に注力することで、エッジを超えたAPIセキュリティを実現します。
詳細分析
主なポイント
- エッジソリューションはAPIセキュリティの問題を解決できない
- API発見の制限、サードパーティAPI利用の課題、高度な検出能力の欠如などの問題がある
社会的影響
- APIセキュリティの不備は、企業のデータ漏洩や顧客情報の流出につながる可能性がある
- APIの悪用は金融犯罪や個人情報の不正利用など、深刻な社会問題を引き起こす可能性がある
- 包括的なAPIセキュリティ対策の不足は、企業の信頼性や評判を損なう
編集長の意見
APIセキュリティはエッジだけでは解決できず、包括的なアプローチが必要です。API発見、ポスチャガバナンス、脅威保護を統合的にチェックすることが重要です。エッジセキュリティは重要ですが、それだけでは不十分で、アプリケーション全体を見渡す必要があります。バックドアだけでなく、side doorやopen windowなどにも気をつけてください。
ということで、今日は、APIセキュリティについての包括的なチェックリストというのを作ってみました。ご参考になればと思います。
解説
APIセキュリティ 包括的チェックリスト
API発見と可視性
-
包括的APIマッピング □ すべてのAPIを特定
□ 文書化されたAPI
□ 文書化されていないAPI
□ シャドウAPI
□ サードパーティAPI
□ 定期的な自動API発見監査の実施
□ 一元管理されたAPIインベントリの維持 -
シャドウAPI防止
□ 厳格なデプロイメントプロトコルの確立
□ 新規APIエンドポイントの審査プロセスの実装
□ 新規APIの必須ドキュメンテーション要件の設定
□ 不正なAPI展開の自動検出システムの構築
APIガバナンスとコンプライアンス
-
ポスチャガバナンス
□ APIデザインのカスタム企業標準の開発
□ 以下に関するコンプライアンスチェックリストの作成
□ データ保護規制(GDPR、HIPAA等)
□ セキュリティベストプラクティス
□ パフォーマンスと信頼性の標準
□ 自動コンプライアンスチェックの実装 -
サードパーティAPIリスク管理
□ サードパーティAPIの徹底的なセキュリティ評価
□ 内部サービスと外部サービス間のデータフローの監視
□ 外部API連携のための厳格なアクセス制御
□ サードパーティAPIのセキュリティとデータ取り扱いの定期的な監査
高度な脅威検出
- コンテキスト的セキュリティ分析
□ AIと機械学習ベースの脅威検出の実装
□ 以下の高度な攻撃パターンの監視
□ クレデンシャルスタッフィング
□ オブジェクトレベル認可の破壊(BOLA)
□ ユーザーID列挙攻撃
□ 長期セッション追跡の確立
□ 高度なパターン分析機能の開発
多層的セキュリティアプローチ
- 包括的セキュリティ戦略
□ エッジソリューションのみへの依存を回避
□ 複数レベルでのセキュリティ実装
□ ネットワークエッジ(WAF、APIゲートウェイ)
□ アプリケーション層
□ データアクセス層
□ 多層防御戦略の策定
追加の重要な考慮事項
-
認証と認可
□ 堅牢な認証メカニズムの実装
□ 多要素認証
□ OAuth 2.0 / OpenID Connect
□ トークンベース認証
□ 最小権限の原則の適用
□ 詳細なアクセス制御の実装 -
データ保護
□ 通信中および保存中の機密データの暗号化
□ 強力な入力検証の実施
□ SQLインジェクション防止のためのパラメータ化クエリの使用
□ 機密情報のマスキングまたはトークナイズ -
ログ記録と監視
□ すべてのAPI相互作用の包括的ログ記録
□ 疑わしいアクティビティのリアルタイム警告設定
□ 監査証跡の維持
□ インシデント対応計画の策定 -
定期的なセキュリティ評価
□ 定期的な侵入テストの実施
□ API固有の脆弱性評価
□ 新たなAPIセキュリティ脅威への最新情報維持
□ 継続的改善アプローチの維持
推奨ツールと実践
□ APIセキュリティプラットフォームの使用
□ 高度な脅威検出のためのAIと機械学習の活用
□ 自動セキュリティスキャンツールの実装
□ クロスファンクショナルなAPIセキュリティチームの編成
文化的・組織的推奨事項
□ 開発者におけるセキュリティ最優先マインドの醸成
□ 定期的なセキュリティトレーニングの提供
□ 潜在的な脆弱性に関する透明性のあるコミュニケーションの奨励
□ プロアクティブなセキュリティ発見に対する報酬システムの開発
メモ
APIセキュリティは1回限りのタスクではなく、警戒心、高度なツール、包括的な戦略を必要とする継続的で多層的なプロセスです。単一のソリューションでは完全な保護は提供できないため、包括的なアプローチが不可欠です。
このチェックリストは、元の記事から得られた内容と、堅牢なセキュリティ戦略を作成するため、という目的のために、追加のベストプラクティスを組み合わせて、APIセキュリティの包括的なフレームワークとしてまとめてみました。
〜用語解説〜
「サイドドア」や「開かれた窓」などの言葉が出てきましたのが、ご存じでしたか? APIセキュリティの文脈以外でも出てくると思いますので、これらのワードについても解説を。
「正面玄関」(エッジセキュリティ)
- Web Application Firewall (WAF)
- APIゲートウェイ
- コンテンツ配信ネットワーク (CDN)
これらは、セキュリティの「メインエントランス」に相当し、トラフィックを直接管理・制御します。
「サイドドア」と「開かれた窓」
これらは、エッジセキュリティが見落とす可能性のある、代替的なアクセス経路を表しています。
-
サイドドア(代替アクセス経路)
- 標準的な承認プロセスをバイパスするAPI
- 正規の手順を踏まずにデプロイされたエンドポイント
- 意図的または偶発的に作られた「隠れた」API
-
開かれた窓(脆弱なアクセスポイント)
- 十分に保護されていないAPI
- セキュリティチェックを通過できる弱点
- 攻撃者が侵入できる潜在的な経路
具体的な例
サイドドアの例
- 急いで開発されたモバイルアプリのAPI
- 製品リリースの締め切りに間に合わせるために、十分な精査なしにデプロイされたエンドポイント
- 開発者が正式な承認プロセスを迂回して直接本番環境に公開したAPI
開かれた窓の例
- 不適切な認可設定
- 過度に寛容なアクセス制御
- パラメータのバリデーションが不十分なAPI
セキュリティ上の含意
これらの用語は、セキュリティが単純な「正面玄関」の監視だけでは不十分であることを強調しています。 企業としては、
- すべてのアクセス経路を理解する
- 隠れたエントリポイントを積極的に探索する
- 包括的な監視と保護を実施する 必要があります。
背景情報
- 現代のデジタルエコシステムでは、WAF、APIゲートウェイ、CDNなどのエッジソリューションが重要な役割を果たしている
- これらのツールはAPIアクセスを制御する「ボウンサー」のような機能を果たす
- しかし、side doorやopen windowから侵入されるリスクを見逃す可能性がある