2024-11-12
EUも共同でサイバー攻撃に備えています。
要約
EUは大規模なサイバー攻撃への対応力を高めるため、加盟国の高官によるシミュレーション演習「Blue OLEx」を実施しました。この演習は、サイバーセキュリティ危機管理体制の強化に役立ち、EU全体のサイバーレジリエンス向上につながります。
このニュースのスケール度合い
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インパクト
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脅威に備える準備が必要な期間が時間的にどれだけ近いか
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このニュースを見て行動が起きるあるいは行動すべき度合い
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詳細分析
主なポイント
- イタリアが主導し、EUの機関や加盟国の上級サイバーセキュリティ担当者が参加する年次演習「Blue OLEx」が行われた
- この演習は、大規模サイバー攻撃への対応力を高めることを目的としている
- 演習の結果は、2017年に採択された「大規模サイバーセキュリティインシデントおよび危機への調整された対応のためのブループリント」の評価に活用される
- 今年の演習では、NIS2指令によって設立された「サイバー危機連絡組織ネットワーク(EU-CyCLONe)」を通じた加盟国間の連携強化に焦点が当てられた
社会的影響
- EUのサイバーレジリエンス強化は、加盟国全体の安全保障に直結する重要な取り組み
- 特に、エネルギーなどの相互依存の高い分野におけるサイバー攻撃への対応力向上が不可欠
- サイバー攻撃への迅速かつ効果的な対応体制の構築は、EUの社会的・経済的安定性を守るために不可欠
編集長の意見
EUのサイバーセキュリティ危機管理体制の強化は、加盟国間の連携を深化させ、大規模サイバー攻撃への対応力を高めるうえで重要な取り組みです。特に、エネルギーなどの重要インフラ分野における脆弱性への対策は喫緊の課題であり、EU-CyCLONeを中心とした加盟国間の協力体制の構築が不可欠です。今後も定期的にという言葉が出てきいましたが、各国それぞれにサイバー軍を持っている中、どれだけ1つのEUとして対応力をアップできるかがポイントと考えます。地政学的にはロシア、イランと地続きであり、サイバー的には中国、北朝鮮、インドといったあたりの仮想敵国もいる中どのような対策をとっていくのか非常に興味があります。
背景情報
- EUは2017年に「大規模サイバーセキュリティインシデントおよび危機への調整された対応のためのブループリント」を採択し、加盟国間の連携強化を進めている
- EU-CyCLONeは2020年に立ち上げられ、2023年1月に正式に発足した加盟国のサイバー危機管理当局間の協力ネットワーク
- EU-CyCLONeは、技術レベルの協力(CSIRT)と政治レベルの協力(IPCR)をつなぐ役割を担う