2025-12-31

IBM、リモート認証バイパスを許す重大なAPI Connectの脆弱性を警告

IBMは、API Connectにおける重大なセキュリティ脆弱性について詳細を発表しました。この脆弱性はCVE-2025-13915として追跡され、CVSSスコアは10点満点中9.8と評価されています。この脆弱性により、攻撃者は認証メカニズムをバイパスし、アプリケーションへの不正アクセスを得る可能性があります。影響を受けるバージョンは10.0.8.0から10.0.8.5および10.0.11.0です。IBMは、顧客に対して修正プログラムの適用を推奨しており、自己サービスサインアップを無効にすることも提案しています。現時点では、この脆弱性が悪用された証拠はありませんが、早急な対策が求められています。

メトリクス

このニュースのスケール度合い

6.5 /10

インパクト

8.5 /10

予想外またはユニーク度

5.5 /10

脅威に備える準備が必要な期間が時間的にどれだけ近いか

8.5 /10

このニュースで行動が起きる/起こすべき度合い

9.0 /10

主なポイント

  • IBMはAPI Connectにおける重大な脆弱性を発表しました。この脆弱性は、攻撃者が認証をバイパスして不正アクセスを得る可能性があります。
  • 影響を受けるバージョンは特定されており、顧客は修正プログラムを適用することが強く推奨されています。

社会的影響

  • ! この脆弱性が悪用されると、企業のデータが危険にさらされる可能性があります。
  • ! 顧客の信頼を損なうことが、企業のブランドイメージに悪影響を及ぼす可能性があります。

編集長の意見

API Connectの脆弱性は、企業にとって非常に深刻な問題です。特に、APIは現代のアプリケーション開発において重要な役割を果たしており、そのセキュリティが脅かされることは、企業の運営に直接的な影響を与えます。この脆弱性は、認証バイパスを可能にするものであり、攻撃者が不正にアクセスする手段を提供します。企業は、APIを通じて顧客データや機密情報にアクセスされるリスクを常に考慮しなければなりません。今後、APIのセキュリティ対策はますます重要になるでしょう。企業は、脆弱性が発見された際には迅速に対応し、修正プログラムを適用することが求められます。また、自己サービスサインアップ機能を無効にすることも、リスクを軽減するための一つの手段です。セキュリティ文化を企業内に根付かせることも重要であり、従業員に対する教育や啓発活動を通じて、セキュリティ意識を高める必要があります。今後の課題としては、APIのセキュリティを強化するための新たな技術や手法の導入が挙げられます。企業は、最新の脅威に対抗するために、常にセキュリティ対策を見直し、改善していく必要があります。

解説

IBM API Connectの認証バイパス(CVE-2025-13915):外部公開APIの玄関口を直撃する重大欠陥です

今日の深掘りポイント

  • 認証バイパスという根本的欠陥がAPI管理プレーンに及ぶと、ポリシー・認可・鍵発行といった“APIの治安維持”機能を迂回でき、下流の多数サービスに横展開しやすいです。
  • 自己サービスサインアップ(開発者ポータル起点)との関連示唆は、アカウント/クライアント登録フロー悪用による正面突破型の初期侵入を想起させます。短時間で実運用に実害が出る類のバグです。
  • 金融・公共・B2B連携の中核で用いられるため、1ゲートウェイ=多数組織・多数APIへの“ハブ侵害”に直結し、連鎖被害の確率が上がります。管理系エンドポイントの露出見直しが急務です。
  • 当座の優先策は「パッチ適用+自己登録停止+外向き管理/ポータル面の遮断(アクセス制限/地理制限/WAF)」の3点セットです。鍵・トークンの棚卸しとローテーションもセットで進めるべきです。
  • 検知面では「保護対象エンドポイントへの認証なし2xx」「短期に集中する新規登録」「IdPログに対応しないトークン発行」「ポリシー変更イベントの不審化」を相関して追うのが効果的です。

はじめに

IBMがAPI Connectにおける認証バイパスの重大欠陥(CVE-2025-13915)を公表し、影響バージョン(10.0.8.0〜10.0.8.5、10.0.11.0)に対し修正適用と自己サービスサインアップの無効化を推奨しています。報道では現時点で実害の証拠はないとされていますが、CVSS 9.8に相当する深刻度で、外部公開のAPI管理プレーン/開発者ポータルを起点に、B2B連携や顧客向けAPI全体へ波及し得るリスクが特徴です。APIゲートウェイは「境界の新しい玄関」になっており、ここでのバイパスは単発の不正呼び出しにとどまらず、キー発行・ポリシー変更・ルーティング改変など“治安機能ごと乗っ取る”局面を想定すべきです。

参考: The Hacker Newsの報道

深掘り詳細

事実関係の整理

  • 対象: IBM API Connect
  • 脆弱性: 認証バイパスによりリモートから不正アクセスを許容し得る欠陥です。
  • 識別子: CVE-2025-13915
  • 影響バージョン: 10.0.8.0〜10.0.8.5、10.0.11.0
  • ベンダー推奨:
    • 修正プログラムの速やかな適用
    • 自己サービスサインアップ機能の無効化
  • 悪用状況: 報道時点で悪用の公知事例は確認されていないとされています(出所: 上記報道リンク)です。

上記は公開情報(報道)に基づく事実であり、技術的ディテール(脆弱箇所のコンポーネントや特定エンドポイント)は現時点で限定的です。

編集部のインサイト(仮説を含む)

  • 認証バイパスは「APIの呼び出し対象」に対する直接的侵入だけでなく、「API管理・発行・登録」のガバナンス機能に対する侵入としての破壊力が高いです。API Connectの性質上、ポータル/管理プレーンが侵害されれば、正規鍵・クライアント・ルートの“正面”が汚染されるリスクが出ます。
  • 自己サービスサインアップ無効化の推奨は、開発者ポータルやクライアント登録フローのどこかに攻撃面がある可能性を示唆します(仮説)。新規登録→自動または半自動承認→クライアント資格取得の鎖が短い環境ほど、初動での防波堤が低くなります。
  • 多くの組織はAPI Connectの管理UI/Portalをインターネットに露出して運用しています。公開面で“管理系”が到達可能な構成は、WAFやmTLSで保護していてもゼロデイや実装欠陥に対して脆いです。管理面は原則として内向き(VPNやプライベート接続限定)へ再設計すべきです。
  • バグの種類が“バイパス”である以上、監査ログは通常の失敗試行を伴わない“素通りの成功”として記録される可能性があり、検出の難度が上がります。IdP側ログ、WAF、ゲートウェイ、アプリ側の相関で不整合を探すアプローチが有効です。
  • B2Bやサプライチェーン連携では、一つのゲートウェイが多数の外部組織との信頼境界を兼ねます。1点の侵害が多数の相手先へ“正常系としての不正呼び出し”を広げるため、相手先側でも異常を検知しにくいです。相互のレート制限・スコープ最小化・mTLSピンニングなど、事前の“ブレイクグラス耐性”が問われます。

脅威シナリオと影響

以下は公開情報から導ける範囲での仮説シナリオです。実際の技術的成立性は今後の詳細公表に依存します。

  • シナリオ1: 開発者ポータル経由での不正なクライアント登録

    • 手口(仮説):
      • 認証バイパスで自己登録/承認フローを迂回し、開発者アカウントまたはクライアント資格を取得
      • 正規のAPIキー/トークンで機密APIにアクセス
    • 想定ATT&CK:
      • Initial Access: Exploit Public-Facing Application(T1190)
      • Credential Access/Persistenceの側面: Valid Accounts(T1078)
      • Command and Control/Collection: Application Layer Protocol: Web Protocols(T1071.001), Exfiltration Over Web Service(T1567)
    • 影響: 正規資格による“静かな侵入”。レート制限内でのデータ抜き取りは検知が遅れやすいです。
  • シナリオ2: 管理プレーン侵害からのポリシー改変

    • 手口(仮説):
      • API管理UI/管理APIに対し認証を素通り
      • 認可ポリシーの緩和、バックエンドへのルーティング変更、ロギング抑止
    • 想定ATT&CK:
      • Initial Access: Exploit Public-Facing Application(T1190)
      • Defense Evasion: Impair Defenses(T1562)
      • Privilege/Config Abuse: Modify Authentication Process(T1556)
    • 影響: 広範なAPIが一斉に“無防備化”し、下流システムまで防御が崩れます。監査の盲点も増大します。
  • シナリオ3: B2B連携の横展開

    • 手口(仮説):
      • 上記1または2の結果得られた正規経路を使って、取引先向けのAPIに対し大量または選択的なデータ引き出し
      • 取引先側での異常検知を回避(正規クライアント・正規ルート)
    • 想定ATT&CK:
      • Lateral Movement/Discoveryの文脈: Exploitation of Remote Services(T1210), Account Discovery(T1033)
      • C2/Exfiltration: Application Layer Protocol: Web Protocols(T1071.001), Exfiltration Over Web Service(T1567)
    • 影響: 供給網全体の信頼を損ね、法規制報告・契約義務違反・ブランド毀損のリスクが累積します。

検知難度は総じて高く、偽陽性を抑えつつ“正規の枠内での異常”を見抜く相関分析(IdPログとトークン発行ログ、ポリシー変更イベント、WAF/ゲートウェイの時系列突合)が鍵になります。

セキュリティ担当者のアクション

  • 0〜24時間(即応)

    • ベンダーの修正プログラムを適用します。適用前後で管理面・データプレーン双方の健全性チェックを実施します。
    • 自己サービスサインアップ(開発者ポータルの自己登録/アプリ登録)を無効化します。暫定的に承認制・ホワイトリスト制に切り替えます。
    • 管理UI/管理API/ポータルの外部露出を遮断します(VPN限定、ソースIP制限、ジオフェンシング、WAFでのサインアップ関連エンドポイント抑止など)。“運用の都合”より“被害局面の回避”を優先します。
    • 重要APIのキー/クライアント資格の棚卸しを行い、機微スコープは即時ローテーションを計画します。短寿命トークン化(TTL短縮)も検討します。
  • 24〜72時間(検知と封じ込め)

    • 直近90日を目安に以下をハンティングします(名称は環境に合わせて読み替えます)。
      • 認可必須のエンドポイントに対する、Authorizationヘッダ欠落または不整合にも関わらずの2xx応答
      • サインアップ/登録/クライアント作成系エンドポイントへのPOSTの急増、夜間帯のスパイク
      • IdP(OIDC/OAuth)側の認証/同意イベントと、API Connect側のトークン発行イベントの不整合
      • ポリシー/ルーティング/認可設定の変更イベント(誰が/いつ/どこから)と運用予定の整合性
      • 新規“開発者組織”“クライアントアプリ”の短時間大量作成
      • WAFでの署名回避・異常User-Agent・異常地理からの管理系アクセス試行
    • 重要取引先・内部事業部向けAPIのアクセスログを相手先と相互照合し、異常パターン(新規クライアント、急増、時差不一致)を確認します。
  • 7〜14日(構造対策)

    • 管理プレーン・ポータルを原則内向き化し、インターネット側はリバースプロキシ+mTLS+IP許可リストで限定します。ゼロトラスト・ネットワークアクセス(ZTNA)の導入も検討します。
    • 開発者登録・クライアント発行フローに多段承認、リスクベース制御、監査トレイルの不可逆保全を組み込みます。
    • キー管理の分離(HSM/KMS活用)、スコープの最小化、DCR(Dynamic Client Registration)の制御強化、短寿命・ローテーション自動化を実装します。
    • 重大APIに対する“ブレイクグラス”運用(異常時に強制的に外部トラフィックをドロップ/隔離できる機構)を設計します。
    • 攻撃演習(Tabletop/Red Team)で「認証バイパス→管理改変→下流API横展開」の連鎖を再現し、検知・封じ込め・広報のリードタイムを測定します。
  • パートナー連携・ガバナンス

    • 取引先・委託先に対し、当該脆弱性のパッチ適用状況と自己登録の有効化状況を確認します。SLA/契約に“管理プレーンの外部露出禁止”や“鍵の短寿命化”を条項化することを検討します。
    • 監査観点では、ポリシー変更やクライアント発行のイベントを“不可変ログ”として外部SIEM/データレイクにエクスポートし、事後改ざん不能とします。
  • 検知エンジニアリングのヒント

    • 相関軸を増やします:IdPイベントログ、API Connect発行ログ、WAF/リバプロ、バックエンドアプリ、脅威インテリジェンス(不審ASN/国)です。
    • ベースラインを作ります:通常の登録/発行/デプロイ頻度、主要時間帯、典型ソースIPを学習し、外れ値検出をかけます。
    • “成功イベント”を疑います:エラーやブロックではなく“問題なく通った成功”に着目することで、バイパス系の可視化が進みます。

参考情報

本稿は現時点で公知の報道情報に基づく分析であり、今後ベンダーから技術詳細が公開され次第、検知・緩和策の具体性をアップデートすべき段階にあります。CISO/SOCは「早期遮断」と「正規資格の悪用前提の可視化」を同時並行で進めることが、被害の面積と滞在時間を最小化する最短ルートです。

背景情報

  • i API Connectは、企業がAPIを作成、テスト、管理、保護するためのエンドツーエンドのソリューションです。この脆弱性は、認証バイパスの欠陥により、攻撃者がリモートでアプリケーションにアクセスできる可能性を示しています。
  • i CVE-2025-13915は、CVSSスコアが9.8と非常に高く、深刻な影響を及ぼす可能性があります。IBMは、影響を受けるバージョンを特定し、顧客に対して迅速な対応を促しています。